今から勉強をやろうと意気込んで始めたのはいいが、はっと気づいた時にはインターネットやゲームをしていた経験はありませんか。甘い誘惑に負けて物事を先延ばしにし、困ったことは、誰しもあると思います。このような現象を引き起こすのは、自己コントール力「意志力」が弱いからかもしれません。誘惑に打ち勝つためには、「意志力」を鍛えることで実現できることでしょう。
- 意志力
- 注意力や感情や欲望をコントロールする能力。自己コントロールする力
5分で脳の潜在能力を引き出す方法
5分で脳の潜在能力を引き出す方法は、本「スタンフォードの自分を変える教室」で紹介されている瞑想のテクニックです。神経科学者の発見によれば、瞑想を行うようになると、脳が鍛えられ、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールの様々なスキルが向上します。
瞑想に本当に効果があるの?
瞑想ってどこかスピリチュアルなイメージがあり、ピンと来ない疑わしいと思うかもしれません。私もその一人です。しかし、本「スタンフォードの自分を変える教室」では、研究によって、どれくらいの期間の瞑想を行なって、どんな結果が得られたかが書かれています。
研究に参加したのは、瞑想を行った経験が一度もない人たちで、なかにはこの研究そのものに懐疑的な人たちもいました。その人たちには、これからご紹介するようなかんたんな瞑想の方法を教えたのです。
ある研究では、瞑想の研究をたった3時間行っただけで、注意力と自制心が向上するという結果が見られました。11時間後には、脳に変化が現れました。瞑想を始めた人たちの脳では、集中力を持続したり、気が散るものを無視したり、衝動を抑制したりするのに重要な領域の神経間の連絡が増加していました。
また別の研究では、瞑想の練習を8週間毎日続けたところ、日常生活において自己認識の度合が向上し、脳で自己認識をつかさどる部分の灰白質の量が増えているのがわかりました。
最近の研究では、定期的に瞑想を行った場合、禁煙、減量、薬物やアルコール依存症への対策にも効果があることがわかっているそうです。
瞑想のやり方3ステップ
研究によって効果がわかったところで、5分ででき苦痛が少なく、脳が鍛えられる瞑想のテクニックを説明します。
動かずにじっと座る
椅子に座って、足の裏をぴったり床につけるか、クッションの上であぐらをかきます。背筋を伸ばし手は膝の上です。気になる音が聞こえたり、かゆいところがあっても動かないで耐えます。ただじっと座ることに集中してください。
単純なことですが、これだけでも脳や体の衝動に左右されない意志力の強化になります。これが、身体面における自己コントロールの基本といえます。
呼吸に意識を集中する
目を閉じるか、どこか一点を見つめてください。そして、呼吸に意識を集中させていきます。息を吸う時は、心の中で「吸って」、吐く時は、「吐いて」と唱えながら集中させます。気が散りだしたらまた意識を呼吸に戻し、繰り返します。
呼吸に意識を集中させる練習をすることで、前頭前皮質が活性化され、脳の中枢のストレスや欲求を鎮めていきます。
呼吸の感覚をつかむ、気が散ったら呼吸を意識する
数分経過したら、「吸って」「吐いて」というのをやめ、呼吸をしている感覚だけに集中します。すると鼻や口の息の感覚や呼吸によるお腹の膨らみしぼみがわかるようになります。
呼吸から意識が乱れたのに気づいたら、また呼吸に意識を集中させます。難しく感じるなら、また心の中で「吸って」「吐いて」と唱えてみましょう。この練習は、自己認識のトレーニングにもなります。
ポイントまとめ
- 動かずにじっと座る
- 呼吸に意識を集中する
- 呼吸の感覚をつかむ、気が散ったら呼吸を意識する
慣れてきたら、一日10分、15分とやってみてください。長くやるには、時間がとれない時は、先延ばしにしないで、毎日少しでも空いた時間にやった方が効果的のようです。一日に瞑想をする時間を決めておくといいかもしれません。
あとがき
瞑想と近いものに日本には坐禅があります。瞑想とは、行う目的が違うかもしれませんが、坐禅も瞑想と同じ効果が得られると思います。私は、小学3年生の頃から6年生まで、夏休みになると知り合いのお坊さんに誘われて、禅の集いという2泊3日永平寺に集う会に参加し、そこで初めて坐禅を組みました。
そこでの経験が、精神鍛錬され、心の揺れを抑止する力の支えになっているのかもしれないなと思っています。あなたも瞑想もしくは、坐禅を始めてみるのをおすすめします。坐禅の会というのもあるようなので、参加してみるのもいいかもしれませんね。